白いボトルのイラスト
ピンク色の液体のイラスト
ランブルスコの泡のイラスト
カンティーナデラボルタ

ランブルスコとは

ラランブルスコとは、食の都、美食の街として世界的に名高いエミリア・ロマーニャ州を代表するワイン。

ボローニャ、モデナ、パルマ、その先にあるピアチェンツアへとつながっていくエミリア街道は古代ローマ時代の重要な街道でした。
かつての交通の要所は、現在美味しい料理で有名な街が並んでいることから「美食街道」と呼ばれています。
そんな「美食街道」に欠かせないワインが「ランブルスコ」です。

ランブルスコの生産量はモデナ県、レッジョ・エミリア県の5つのDOCで4,500万本、IGTエミリアが1億3,000万本、それに他県のランブルスコやロンバルディア州マントヴァ県も合わせると全体で2億本近い生産量となります。これらの70%は輸出され、世界中で親しまれているのです。
その成功の秘密は、喜ばしい泡とフレッシュな味わい、幅広い料理にマッチする親しみやすさ、そして近年の醸造設備の近代化により大幅に向上した品質。さらに若い生産者達も台頭してきたことで今また勢いのあるワインエリアへと生まれ変わっているのです。

生ハムやチーズが並ぶエミリアロマーニャの食料品店

ランブルスコの歴史

ランブルスコとはイタリア・ポー川周辺の渓谷で作られる伝統的な微発泡ワイン、またそれに使われるブドウの品種(そしてその亜種)を指します。

その歴史は古く、ランブルスコの原種は紀元前10世紀から存在していたと言う記述が残されています。

古代ローマにおいても大プリニウスが記述した博物誌にポー川周辺地域のブドウ畑に関する言及があり、16世紀のルネサンス期には現在に通ずる微発泡のワインが既に存在していたことが記録され、味の素晴らしさが称えられていました。

そんなランブルスコですが、1970年代から1980年代においてアメリカで爆発的に流行します。
ただし、それは甘い味わいと微発泡性の軽くて安価なワインとして。

本来辛口が主流だったランブルスコですが、当時の需要に合わせ甘口の微発泡タイプが大量生産され「イタリアン・コーク」としてもてはやされました。
日本にも同じようなランブルスコが輸出され「甘くて発泡性の軽いワイン」と言うイメージがアメリカ同様に定着します。(ただし、飲みやすさや気軽さがワインに対するハードルを下げ、本格的なワインに馴染の薄かった日本人とワインの距離を縮めた側面もあります。)

そんな状況に危機感を抱いたのが、CANTINA DELLA VOLTA(カンティーナ・デッラ・ヴォルタ)創設者クリスチャン・ベッレイの父「ジュゼッペ・ベッレイ」氏。彼は安価な飲料として大量消費されるランブルスコの価値を高めようと、本来の辛口に立ち戻り瓶内二次発酵のランブルスコ造りを成功させ、革新をもたらしました。

工場で瓶内二次発酵中のランブルスコ

CANTINA DELLA VOLTAについて

CANTINA DELLA VOLTA(カンティーナ・デッラ・ヴォルタ)は2010年創業。
創設者のクリスチャン・ベッレイ氏は4世代にわたる醸造家一族の出身です。

クリスチャン氏の父「ジョゼッペ・ベッレイ氏」は1970年からランブルスコの改革に取り組んでいました。当時ランブルスコはアメリカで大変人気を得ていましたが、それは「イタリアン・コーク」と呼ばれる安価で甘く軽い赤の微発泡ワインとしてのものでした。

輸出向けに量産される安価なランブルスコを危惧したジョゼッペ氏はシャンパーニュの本場エペルネで製造方法を学び、ソルバーラ種を使った瓶内二次発酵の高品質なランブルスコを成功させます。しかし1998年にジョゼッペ氏が他界したことで代々受け継いできたブランド名を売却することとなります。

ランブルスコを注ぐクリスチャン・ベッレイ氏

しかしクリスチャン氏は逆境に負けず、オーナーのアンジェラ氏や多数の仲間の協力を得て、祖父が立てた建物を拠点として再び醸造所として誕生させたのが「CANTINA DELLA VOLTA(カンティーナ・デッラ・ヴォルタ)」です。

ワイナリーの位置する場所はイタリア・エミリアロマーニャ州の「Bomport(ボンポルト)」という街。
そこはナヴィーリオ・ディ・ポンポルド運河の岸辺でかつては埠頭だった場所。Bomport(=Goodport)が街の名前になるように、モデナから運河を渡りもたらされる豊かな物資により栄えた街でした。
18世紀に物資を運んだ川船達はこの場所で「ラ・ヴォルタ(方向転換)」を行い、モデナへと戻りました。この歴史から「CANTINA DELLA VOLTA(カンティーナ・デッラ・ヴォルタ)」の名前とアイコンは形作られています。
ちょうど「スイッチする」「ターンする」という地理的場所からも「時代の門出」「起点になる」ワイナリーへと進化し続けよう!そんな思いも込められています。

カンティーナ・デッラ・ボルタ

CANTINA DELLA VOLTAのブドウ園について

ソルバーラの畑はセッキア川に近い沖積土壌の平野にあり、砂、泥土、粘土がよく混ざった肥沃な土壌。通常はブドウには向かないと言われるが、酸とミネラルに満ちたフレッシュで優美な切れ味の鋭いワインとなり、ソルバーラには最高のテロワール。代々続く契約農家からのソルバーラを厳選して使用しています。

一方でシャルドネとピノネロの畑は標高約650mの丘陵地帯に、シャンパーニュ地方に近い白亜質の堆積物がある石灰質粘土質の土壌の畑を新たに開墾しました。


いずれも栽培技術、剪定、ブドウの摘み取り(すべて手摘み)に関するすべての指示をクリスチャン氏が指揮。
収穫の際にはソフトプレスが行われるまでブドウが1粒1粒丸ごと残るよう、果実が最大37ポンド(約16.7kg)入るバスケットを使用し丁寧に扱われています。

ソルバーラ種の畑

CANTINA DELLA VOLTAのランブルスコ

一般的な「甘くて軽い赤発泡」のランブルスコは主にグラスパロッサやサラミーノ種で作られています。酸味が少なくタンニックでジューシーな味わいは海外でも人気で、醸造方法も効率化を図るためシャルマ方式(大型タンクの中で一次発酵、二次発酵、澱取りまで行う)が採用されています。

しかし、CANTINA DELLA VOLTAではあえて繊細な味わいのソルバーラを100%使用し、瓶内二次発酵「メトドクラシコ=トラディショナル」製法を採用しています。ソルバーラ種は結実が悪く収量が低いため、大量生産型のワイナリーには敬遠されますが、酸度の高さとピュアな果実味は長期熟成を可能にし、透明感のあるチャーミングな赤い果実感を楽しめる素晴らしい品種です。

瓶内で長期間熟成させることできめ細やかな泡になり、さらに時間経過と共に澱のうまみがワインに移るため、シャルマ方式では作れない味わい深いのワインが生まれるのです。

「ソルバーラ」と
「メトドクラシコ=
トラディショナル」
のこだわり

収穫されたソルバーラ種 瓶内二次発酵中の瓶を検品する工場スタッフ

CANTINA DELLA VOLTAが創業して間もない頃、かの「エノテカ・ピンキオッリ」のジョルジョ・ピンキオッリはその品質に惚れ込みロゼを密かに樽で買い占めていたことでも話題となりました。それはしばらく日本への輸入が出来ないほど。

また、モデナを代表するリストランテの「フランチェスカーナ」は同郷での一番古くからの顧客です。その世界的な有名シェフ「マッシモ・ボットゥーラ氏」とは共に世界を目指す仲間でもあります。彼が世界のベストレストランに表彰された際にはシャンパンファイトならぬランブルスコファイトで祝杯を上げた仲。

こうしたCANTINA DELLA VOLTAの成功はランブルスコ造りを甘口フリッツァンテから辛口のスプマンテへと見直すきっかけとなり地域の醸造レベルの底上げに大きく貢献し、現在も世界に誇るランブルスコを造り続けています。

モデナの名店に愛され、
そして共に歩む
ランブルスコ

淡いピンクのロゼ シャンパンファイトをするマッシモ氏

商品ラインナップ

ランブルスコロゼ

ランブルスコロゼ

Lambrusco ROSE Modena

品種:ソルバーラ100%
度数:12.5%(2024年現在)

 ステンレスタンクで一次発酵後、12度に保ったセラーで6ヶ月間タンクで寝かせた後、瓶内二次醗酵。シュールリー(澱上醸造)期間は40ヶ月以上。その後、デゴルジュマン(澱抜き)され出荷されます。

 美しく淡いピンクのドレスをまとったような麗しい色合い。ラズベリーとワイルドベリーの豊かなアロマ。バラとザクロを組み合わせたようなトーン。引き締まったボディの凛とした佇まい。心地よい酸味と塩味のバランスが良く、勢いのあるシャープな酸と豊富なミネラル分は優美で厳格なソルバーラの特徴であり、その個性を最大限に引き出した造り。今までのランブルスコワインのイメージを一新するような上品さと複雑さ。

 カンティーナ・デッラ・ヴォルタが一躍有名になったきっかけとなった逸品。ソルバーラ種の個性がはっきりと表れた1本です。

イルマッターリオ・ゼロ

イルマッターリオ・ゼロ

Il Mattaglio Dosaggio Zero

品種:シャルドネ57%、ピノネロ43%(2024年現在)
※セパージュは年によって変わります。詳細はお問合せください。
度数:12.5%(2024年現在)

モデナ近郊アペニン山脈袂の標高650mに及ぶ場所に位置する未開の土地を開墾した畑で造られるイル・マッターリオ。
「エミリアロマーニャの地で世界に誇る泡を造りたい」という一族の夢とロマンを賭けたプロジェクト。瓶内二次醗酵後、シュールリー(澱上醸造)期間は24ヶ月以上。その後、デゴルジュマン(澱抜き)され出荷されます。
ごまかしの効かないノンドサージュにより、ピュアな葡萄果実の透明感がより一層味わえます。シャンパーニュにも勝る瓶内二次のスプマンテを、このモデナの土地から世界へ発信する、という生産者の熱い志を感じる1本です。

※ノンドサージュとは…シャンパンのような瓶内二次発酵を行うワインは澱抜きをする際に内容量が減ってしまう。この不足分を補う作業を行うことをドサージュと言う。この際、ワインに糖分を加えたリキュールを入れることで味の調整を行うのだが、これを加えずそのまま出荷。甘味を加えない分、ノンドサージュのワインは超辛口となる。

ブリュットロッソ

ブリュットロッソ

Brutrosso

D.O.C.ランブルスコ・ディ・ソルバーラ
品種:ソルバーラ100%
度数:12.5%(2024年現在)

6ヶ月間タンク熟成後、9ヶ月以上の瓶内二次発酵にて製造されます。

 ブドウ品種個性の華やかさが、ランブルスコの製造では珍しい瓶内二次発酵により際立っています。熟成感を抑え果実のジューシーさを前面に出しつつ、泡の質感や味わいの纏まりを造りによって引き出すバランス感に生産者の努力が集約されています。現代的でこれからのランブルスコワインの指標になるワインと評される1本。鮮やかなルビー色、キメ細かく途切れることのない泡立ちが美しい。鮮度の高いラズベリーや木イチゴの香りが魅惑的でわずかに青みかんのような柑橘系の香りが感じられます。

 口当たりは上品で、すぐに果実味が溢れていき、追随するしなやかな酸味がバランス良く存在する事でキレの良い味わいとなっています。

トレンタセイ

トレンタセイ

Trentasei

品種:ソルバーラ100%
度数:12.5%

良年のみつくられる超限定生産の極上ランブルスコワイン。名前の「トレンタセイ」はイタリア語で36ヶ月の意味。瓶内二次醗酵後、シュールリー(澱上醸造)期間は36ヶ月以上。3年以上に渡る熟成の後、その後、デゴルジュマン(澱抜き)され出荷されます。

野イチゴのアロマと赤い果実味。長期熟成によるイーストコンタクトによりソルバーラの最大の特徴である鋭い酸味は丸みを帯び、果実由来の心地よい甘みとコクが楽しめます。

ランブルスコリモッソ

ランブルスコリモッソ

Rimosso

品種:ソルバーラ100%
度数:11.5%

一次醗酵を完全に終える前に澱ごと全てボトリング。補糖せず葡萄の糖分のみで瓶内で再発酵させ、そのままデゴルジュマン(澱抜き)せず澱ごとリリース。

「先祖代々」という意の「アンチェストラーレ」製法と呼ばれる伝統回帰した造り。澱ごとリリースすることにより、瓶底の澱がキラキラと輝きます。若々しく紫がかったルビーレッドの色調。野イチゴやスグリを想わせる果実香と程よいスパイス香が重なり、鮮度感と共に複雑な香りが広がる。

泡立ちはクリーミーで鮮度の高いチャーミングな果実味が充実した上品な味わい。ピュアな葡萄果汁をダイレクトに感じる1本です。

クリスチャンビアンコ

クリスチャンビアンコ

Christian Bellei Millesimato

品種:ソルバーラ100%
※9月の第3週までに、セッキア川周辺の畑で収穫したよりすぐりブドウを使用。
度数:12.5%

ステンレスタンクで6ヶ月熟成後、瓶内二次発酵(瓶内二次発酵の温度は12度)瓶熟38ヶ月以上を経てリリース。

ワインメーカーのクリスチャン・ベッレイがソルバーラ種の新たな可能性を探るため、限定数のコレクションもの。黒ブドウであるソルバーラを色素の抽出を最小化する為に極限まで優しく柔らかにプレス。「cuore della cuvee」と呼ばれる最も香り高く色調の淡い搾りの中心部分だけを抜き取って瓶詰したこだわりの逸品。

赤いフィルムに包まれたパッケージはデザインは造り手の燃える情熱を表現した赤。情熱の下には真っ白なボトルが。

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